日本人の髪は、元は白い!って知ってましたか?
髪の毛は皮膚の下に埋まっている「毛根」で、髪の毛の元が作られます。
髪の毛を作る場所は、毛根の「毛母細胞」という場所です。
髪の元ができたときは、まだ色は白いのです。
そこにすぐに「メラノサイト(色素細胞)」が黒い色素を埋めていくので、生えてくるときは黒くなっています。
髪の毛を生産するときに、色素の細胞だけが弱って色素をつくれなくなってしまった状態が「白髪」で、そしてそのまま生えてくるわけです。
メラノサイト(色素細胞)が弱るわけ
では、メラノサイト(色素の細胞)が弱るのはいったいなぜでしょう?
メラノサイトが弱る理由は、 加齢です。
加齢によって黒色の色素メラニンを作る力が弱くなるからです。
黒色色素のメラニンは、血液中にあるメラニン細胞刺激ホルモン(メラノトロピン)が、チロシナーゼという酵素を活性化して作られます。
これが毛包の細胞内で集合してメラニン顆粒を作って黒色に見えるので、髪は黒色になります。
黒色の元を作るのは メラニン細胞刺激ホルモン なわけです。
平均すると白髪の発生は30代中頃からで、ポツポツと目立ちはじめ、年を重ねるごとに徐々に増えていきます。
50代中頃になると髪の半分近くが白髪になるのが平均的です。
加齢が白髪の主な原因となるわけですが、若くして白髪が生えてくる人がありますね。
それはいったいどうして?
若くて白髪になる原因
若くても白髪になってしまう人には、複数の原因が考えられます。
以下原因となるものをみていきます。
栄養不足
髪の毛の元をつくる「毛母細胞」、あるいは「色素細胞」が活発に働くために必要なのは、アミノ酸・ミネラル・ビタミンなどの栄養素です。
これらが不足することで年齢に関係なく、髪を作る機能が低下してしまいます。
ただ栄養を十分に取ったとしても、栄養が毛根に届かなくては意味がありません。
栄養十分にとっていても頭皮の血行が良くないと栄養が供給できないので、栄養不足になるということもあります。
不規則な生活で細胞の動きが制限
髪が成長するのは 夜の 9時から午前2時の時間と言われています。
1日の中で副交感神経が活発になっている時間帯です。
この時間に睡眠が十分に取れていないと、髪の細胞が活発に働けません。
夜更かし、十分な睡眠がとれていない場合は、白髪を招く原因になるわけですね。
ストレス
ストレスは髪の生育に強い影響を与えているのがわかっています。
ストレスによって自然治癒力が低下する、あるいは全身の緊張で血行不良になることから、髪への栄養が十分に届きません。
長期間のストレスは白髪の大きな原因です。
病気による白髪の増加
慢性の胃腸疾患、マラリア、貧血症、甲状腺疾患などの病気で白髪が増えることがあります。
また薬の副作用で白髪になることもあります。
数ヶ月という短期間で急激に白髪が増えた場合、これらの疾患が考えられます。
遺伝
はっきりと解明されているわけではありませんが、白髪は遺伝の影響も大きく受けているといわれています。
以上のうち複数の原因によって、白髪が生える時期が早まる、白髪が増えるなど進行が進んでいるわけです。
アミノ酸のチロシン不足が白髪を増やす
白を黒に変える、黒い色素の正体は、いったい何でしょう。
それは、チロシン(アミノ酸のひとつ)がチロシナーゼという酸化酵素によって、褐色のメラニン色素に変わったものです。
チロシンはアミノ酸のひとつで、髪の毛は18種類のアミノ酸で構成されています。
またチロシナーゼと酸化酵素が働くためには、ミネラルのひととつ「銅」が必要になります。
つまり、タンパク質の不足もさることながら、「銅」の不足によっても白髪が促進すると考えられます。
銅(ミネラル)を摂取できる食品
白髪を予防するために必要な銅(ミネラル)は、体内で作り出すことができないので食品として食事として補うしかありません。
銅を多く含む食品には何があるかというと、
- 豆類
- 穀物(精製されていないもの)
- 芋類
- 海藻類
- キノコ類
食生活を振り返ってみて、どうでしょう?よくとっていますか?
和食を中心とした食事を心がけることで、これらのものをとりやすくなるかと思います。
きちんと食事していても ミネラルが不足する理由
銅をはじめとするミネラル類が、現代の食生活では不足していると言われています。
体内のミネラルバランスが乱れているとも言われています。
理由は以下のような三つがあります。
一つ目の理由
「現代の食生活事情」があげられます。
ともすると「高脂肪高カロリーの食事」、「インスタント食品や加工食品を多く利用する食事」をとりがちです。
栄養バランスでみると、ミネラル類やビタミン類が少なくなりがちです。
2つ目の理由
畑の土壌のミネラルが減少していることが あげられます。
野菜や果物や水にミネラルを提供するのは土(土壌)ですが、戦後は土壌のミネラルのバランスが 大きく変化しました。
理由は、化学肥料や農薬、除草剤などが大量に使われてきたためです。
また酸性雨によって土壌中のミネラルが流出して減っていったのも原因です。
昔に比べると土壌のミネラルの量は大きく減っています。
そこから採れる野菜や果物もミネラルの少ないものになりました。
3つ目の理由
改良による栄養価の低下。
品種改良、遺伝子組み換え、幼虫対策、収穫量の確保などのため、作物の見た目はかわらなくても栄養価が変わってきました。
栽培方法も本来の生育環境と異なる方法が取り入れられているので、今後も栄養価が増してくとは考えにくいです。
不足はどうする
以上のことを考えると、銅をはじめとしたミネラルの摂取、十分な栄養はいくら食生活に気を使ってもむつかしいのではないかと思えますね。
栄養価の高い玄米を主食として、 遺伝子組換えのない 農薬を使わない食品を選んでいくようにしたいものです。
また栄養素の補給として、サプリメントを考えてみるのも良いかもしれません。
ただ 内容は吟味してください。
胴を摂取できてさらにその吸収を促す成分も入っていることが肝心です。
白髪の悩みは、すぐに解決できるわけではありません。
それでも、不規則な生活習慣を改めたり、ストレスを極力減らすなどすれば、徐々によい方に向かっていきます。
腰を据えて取り組む姿勢が大切ということでしょうね。
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